
家づくりを考え始めて、まず工務店を探してみる。
ホームページやInstagramで施工事例を見ながら、「ここの家、好きかも」と思った会社をチェックする。
気になって見学会へ行ってみたら、思っていた雰囲気とは少し違った。反対に、近くでイベントをやっていたから何気なく行ってみた工務店が、思っていた以上によかった。
工務店探しでは、行く前の期待と行ったあとの印象が同じとは限りません。
写真だけではわからなかった素材の質感や空間の心地よさに惹かれたり、話を聞いて初めて、その会社の性能や家づくりへの考え方に興味を持ったり。
そうやっていくつかの工務店を見るうちに、「自分たちは何を大切にしたいのか」も少しずつ見えてきます。
価格、性能、デザイン、施工エリア、担当者との相性。
工務店選びにはいろいろな基準がありますが、最初から全部を比較して答えを出す必要はありません。
今回は、まだ工務店について詳しくないところから、自分たちに合う会社をどう探していけばいいのかを考えてみます。
工務店探しの最初のきっかけは、難しく考えなくても大丈夫です。
施工事例を見て、
「こんなリビングが好き」 「木を使った雰囲気がいい」 「この外観、なんとなく好き」
そんな感覚から候補を見つけるのも、工務店探しの入口です。
最初から住宅性能や工法、保証制度まで全部を比較しようとすると、情報が多すぎて何を基準にすればいいのかわからなくなることもあります。
まずは「ちょっと気になる」「もっと見てみたい」と思える工務店をいくつか探してみる。
そして、その会社がどんな家づくりをしているのかを少しずつ見ていきます。

WEBで工務店を探している段階では、どうしても目に入りやすいのはデザインです。
でも、見学会やモデルハウスへ行ってみると、写真だけではわからなかったことが見えてきます。
無垢床の足ざわりが思っていた以上によかったり、吹き抜けの明るさや室内の温度を実際に体感したり。
スタッフから話を聞いて、「デザインだけでなく性能も大切にしたい」と思うようになることもあるでしょう。
反対に、写真ではとても好みだったけれど、実際に見てみると「自分たちが暮らす家としては少し違うかも」と感じることもあります。
どちらも、工務店選びが一つ進んだ結果です。
工務店を見ることは、会社を選ぶだけではなく、自分たちの家づくりの基準を見つけることでもあります。

工務店を探していると、
「近くには、あまり気になる工務店がない」
ということもあります。
検索範囲を広げれば素敵な会社があるけれど、少し遠い。
そんなとき、「家を建てる会社だから、近くないとダメなのかな」と気になるかもしれません。
でも、会社まで少し遠い=建てられない、ではありません。
工務店にはそれぞれ施工対応エリアがあり、会社がある市町村だけでなく、周辺の複数エリアで家を建てている会社もあります。
実際にイエレポ掲載工務店を見ても、岐阜市・各務原市・大垣市などから、中濃(関市・美濃加茂市・可児市など)、東濃(多治見市・土岐市・瑞浪市・恵那市・中津川市など)まで広く施工している会社があります。
なかには岐阜県全域や愛知県の一部まで施工エリアとしている工務店もあります。
そのため、
「素敵だけど、ちょっと遠いから無理かな」
と距離だけで候補から外してしまう前に、まずは施工エリアを確認してみるのがおすすめです。
同じ「車で1時間くらい」の距離でも、施工可能かどうかは会社によって違います。
気になる工務店なら、「○○市で建てたいのですが、施工できますか?」と聞いてみると確実です。

気になる会社が見つかったら、施工事例だけでなく、その工務店がどんな家づくりを得意としているのかも見てみましょう。
たとえば、
· 高気密・高断熱など性能を重視した家
· 無垢材や塗り壁など自然素材を使った家
· 設計やデザインに特徴のある家
· 平屋を多く手掛けている
· 土地探しから相談できる
· 規格住宅や定額制の商品がある
など、工務店によって得意なことや家づくりへの考え方は違います。
ここで大切なのは、すべての項目で「一番いい工務店」を探すことではありません。
自分たちが家づくりで大切にしたいことと、その工務店が得意としていることが合っているか。
ここが、工務店を比較するときの一つの基準になります。

候補がいくつか見つかってから、価格や性能、保証などを詳しく見ていきます。
確認したいのは、
· 建物の価格帯
· 断熱・気密・耐震などの性能
· 標準仕様とオプション
· 設計の自由度
· 保証やアフターメンテナンス
· 土地探しへの対応
· 家づくりの進め方
など。
ただし、数字だけを横並びにして優劣をつけるのではなく、「自分たちに必要か」という視点で見ることも大切です。
工務店を何社か見ていくと、
「デザインは譲れない」 「思っていたより性能が気になる」 「土地探しから一緒に相談したい」 「ここまでの仕様は自分たちには必要ないかも」
というように、少しずつ優先順位が見えてきます。

工務店選びについて調べていると、「最後は担当者との相性」「人で決めた」という話を聞くことがあります。
たしかに家づくりでは、担当者や設計士と何度も打ち合わせを重ねます。
話しやすさや相談のしやすさ、自分たちの話をきちんと聞いてくれるかどうかは大切です。
ただ、「いい人だったから」だけで決めるのは少し違います。
どれだけ話しやすくても、その会社がつくる家や家づくりへの考え方が自分たちの希望と合っていなければ、あとからズレが出てくるかもしれません。
反対に、性能や価格、デザインが希望通りでも、相談しにくかったり考え方が合わなかったりすれば、長い家づくりの過程が負担になることもあります。
「人」は最後の決め手になることはあっても、それだけで判断するものではない。
会社としての家づくりと、実際に一緒につくっていく人。その両方を見るのがよさそうです。

A社はデザインが好き。
B社は性能への考え方がいい。
C社は実際に行ってみたら、とても話しやすかった。
いろいろな工務店を見るほど、それぞれの良さが見えてきます。
でも、「全部が一番」の会社を探す必要はありません。
最初は「この家、好きかも」だったものが、実際に見たり話を聞いたりするうちに、
「こういう暮らしがしたい」 「これは譲れない」 「ここはそれほど重要じゃない」
と変わっていく。
最初から工務店を選ぶ基準を持っていなくても大丈夫です。
いろいろな工務店を知ること自体が、自分たちの家づくりの基準を見つける過程でもあります。
まずは気になる工務店を見つけて、施工事例を見る。そして少し興味がわいたら、実際に見学会やイベントへ足を運んでみる。
行く前には気づかなかった「自分たちに合う」が、そこで見つかるかもしれません。