
家造りを行うにあたり、どれだけの技術があるかは依頼するユーザーにとって確かめたい点です。紙太材木店さんの代表田原さんは全国の工務店が参加する新住協の理事として活躍されています。また住宅医としてのキャリアもあり専門家としての実力があります。

写真右奥|代表の田原さん
「高気密高断熱」という言葉は、最近では多くの工務店が掲げています。
けれど、同じ言葉を使っていても、実際の性能には差があるのが住宅業界の実情のようです。この差を見分けるための小さな手がかりとして、第三者団体への所属や、そこでの役割を確認してみるという方法があります。
新住協(新木造住宅技術研究協議会)は、高断熱・高気密住宅の普及と技術向上を目指して、全国の工務店が参加している団体です。会員同士で施工データや実測値を共有し、設計手法を検証しながら、技術を磨き合っています。感覚や経験だけに頼るのではなく、数値に基づいて住宅性能を話し合う文化を持つ団体、と言えそうです。
紙太材木店は新住協のマスター会員です。また、代表の田原さんは新住協の理事として活動し、全国の工務店とともに高断熱・高気密住宅の技術向上にも取り組んでいます。マスター会員には一定以上の実績と技術水準が求められ、理事は団体の運営にも関わる立場です。
家づくりを依頼する側からすると、こうした実勢と立場にある工務店かどうかは、依頼するうえでひとつの安心材料になるかもしれません。

実際の家の数値を確認してみました。
紙太材木店さんが手がけた住宅では、UA値0.23、C値0.1という数値が公開されている事例があります。
UA値は外皮平均熱貫流率と呼ばれ、家全体から熱がどれくらい逃げやすいかを示す指標で、数値が低いほど断熱性能が高いとされています。C値は気密性能を示す指標で、こちらも数値が低いほど隙間が少ないことを意味します。
これらの数値は、設計上の想定だけでは出てきません。実際に建物が完成したあとに測定して、初めて算出できる値です。つまり「これくらいの性能になるはずです」という見込みではなく、「実際にこうなりました」という実測値を公開している、という点に意味があるといえます。
耐震性能についても、耐震等級3、あるいは国の定めるHeat20G3クラス、新住協の定めるQ1住宅レベル4の住宅を標準としています。さらに建築物省エネルギー性能表示(BELS)の全棟取得を目指す方針を掲げ、長期優良住宅の認定も標準的に取得しています。これらは自己申告ではなく、国や第三者機関による評価ですので、外部の審査をする機関にも認められているという信頼のおける指標ともいえるのではないでしょうか?

紙太材木店さんは新築だけでなく、住宅医として既存住宅の改修や再生にも携わってきました。住宅医とは、既存の住宅の劣化状況や性能を診断し、適切な改修方法を提案する専門家を指す資格・活動の名称です。
築60年の古民家を、耐震性と断熱性を確保したうえでリノベーションした事例や、誰も住まなくなっていた家を、住まい手のお孫さん世代が引き継いで再生した事例もあります。
これらは新築とは違い、既存の構造や劣化の状態を読み取りながら手を加える必要があるため、より多くの診断経験が求められる分野です。
こうした既存住宅への対応で得られる知見は、経験をした設計者にしか分からない部分も多くあります。
経年劣化がどこに起きやすいか、どの部分の施工が将来の不具合につながりやすいかという情報は、新築の設計にもきちんと反映されているとのこと。
最初から長く安心して暮らせる設計を考えるための、大切な材料になっているようです。

工務店を比較するとき、「高気密高断熱です」という説明だけでは、実際の性能を判断する材料としては少し心もとないかもしれません。確認できると、判断の精度がぐっと上がる項目を3つご紹介します。
一つ目は、UA値とC値の実測値が公開されているかどうかです。設計値だけで止まっている場合と、完成後の実測値まで示している場合では、裏付けの強さが変わってきます。
二つ目は、BELSや長期優良住宅といった第三者認証の取得状況です。これらは自分たちで評価したものではなく、外部の機関による評価なので、客観性があります。
三つ目は、その工務店がどんな団体に所属し、そこでどんな立場にあるか、という点です。新住協のように技術検証を重ねる団体に参加しているか、そこでどのような役割を担っているかも、技術への向き合い方を知るひとつの手がかりになりそうです。
取材した紙太材木店さんは上記3つの項目に対して実績を積み、情報も公開されています。これから家造り検討される方はこうしたチェックポイントも参考になさってはいかがでしょうか?
株式会社 紙太材木店
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